国鉄型気動車備忘録

国鉄型気動車に関する事を主に書くブログのつもりでした…

キハ57 36

国鉄気動車備忘録 No.57
 
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1962年8月25日、日本車両製造で落成し、配置区は長野でした。
最終配置区は中込で、廃車日は1986年3月31日なのでJRには承継されませんでした。
キハ57は36両が製造されたのでこの車輌がラストナンバーです。
撮影場所は中込駅、撮影日は1980年9月21日です。
 
キハ57は信越本線の横川-軽井沢間の急勾配区対策として台車を空気バネのDT31
に変更した形式です。
製造当初は非冷房でしたがその後全車冷房改造が行われました。改造後も冷房電源を
供給してくれる車輌が無いため使えず、キハ65が登場する1970年までは冷房装置は
ただの飾りでした。1970年から一部車輌の冷房使用が開始され、1972年にようやく
全列車での冷房使用が可能となりました。
せっかく使えるようになった冷房ですが、36は僅か6年後の1978年に使用しなくなります。
この年、長野を走っていた気動車急行が全て電車化され、中込機関区に異動になったの
です。ここには冷房電源を供給してくれるキハ65が配置されておらず、仲間はキハ52、
キハ55といった2機関搭載の力自慢ばかりでした。
高原を走る小海線ですから冷房は要らないと判断されたのでしょうか?(小海線でも夏は
暑いんですけどね…)
運転席側のフックには車輌番号である36と書かれた赤い札が挿してあります。
キハ55 167の時にも説明しましたが当時の小海線ではこのような赤い札で車輌番号が
わかるようになっていました。デフロスターは装備されていますが、スノープロウはついて
いません。手すり、ワイパー、ジャンパ栓などの前面形状は原型タイプです。
 
参考文献
鉄道ピクトリアル 通巻686号、通巻687号
鉄道データファイル 通巻23号
Rail Magazine 通巻171号、通巻172号
国鉄車両配置表 1980年版